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犬の乳腺腫瘍について
2018年10月1日(月)

■どんな病気?

犬には、胸からお腹にかけて左右5対の乳腺があります。その乳腺の一部が腫瘍化し、しこりができる病気が乳腺腫瘍です。メス犬では最も多い腫瘍の一つです。

乳腺腫瘍には良性と悪性があり、悪性の癌である確率は約50%と言われています。

 

■原因

乳腺腫瘍が起こる原因ははっきり分かっていませんが、性ホルモンの影響、乳腺障害(乳腺炎等)、肥満によってリスクが高まることが報告されています。

中でも、最も強く関連している「性ホルモン」の影響については知っておく必要があります。

 

■こんな症状がみられたら病院へ!!

乳腺にできたしこりの大きさや増殖スピードは自宅での『触診』がとても重要になります。乳腺にしこりをみつけたらまず病院で相談しましょう!

 

以下の場合は悪性の可能性が高くなるので要注意です

①  しこりが大きい

②  急速に大きくなる

③  出血などしこりに炎症を伴うもの

 

 

■治療

基本的には、外科手術による腫瘍の切除が第一に選択されます。転移していない段階の腫瘍であれば、手術によって根治が望めます。

そのため、未避妊の場合には乳腺腫瘍の手術と同時に避妊手術をおすすめしています。

 

■予防

犬の乳腺腫瘍は予防が大切!

 

避妊手術のタイミング

発生率

1回目の発情の避妊手術

0.05%

2回目の発情の避妊手術

8%

3回目の発情の避妊手術

26%

3回目の発情以降の避妊手術

抑制効果無し

 

上記のように、1歳以下での避妊手術は乳腺腫瘍の予防に対して効果がありますが、高齢になってからの避妊手術は乳腺腫瘍の治療や再発予防には効果はありません。

ただし、乳腺腫瘍が発生するような高齢の雌では子宮や卵巣に異常をきたしている事が多く、避妊手術を行うことで卵巣・子宮の病気の予防・治療効果があります。

 

ここで注意したいのは避妊手術で全ての乳腺腫瘍を予防できるわけではないということです。悪性乳腺腫瘍はホルモンレセプターが少なく、性ホルモンの影響だけでない発がん機構が発症に関与すると考えられています。日々のスキンシップを欠かさず、定期的に皮膚の触診をすることが一番の予防になるかもしれません。

 

獣医師 浅井

 

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