暑くてジメジメした日が続きますね。クーラーの効いた涼しい室内と暑い屋外との気温差でどうぶつ達も体調を崩しやすい季節です💦
いつもに比べて元気がない、食欲がないなどの症状に気づかれたら動物病院にご相談ください!
さて、高温多湿な今の季節は皮膚炎や外耳炎などのお肌のトラブルも非常に増える時期です。
当院でも、暑くなるにつれてお肌や耳のかゆみのご相談が増えてきています。
そこで今回は、お肌のコンディションを保つために重要な「シャンプーのやり方」について、動画を交えてご紹介します♪
シャンプーの正しいやり方を教わったことがないという方も意外と多いと思います。
ワンちゃんとのスキンシップにもなるシャンプーのやり方を、ぜひこの機会に覚えてみてください🐶
動画はこちら
実は皮膚トラブルで動物病院に来院するワンちゃんはとても多く、短期間で治療が終了するものから生涯治療を続けていく必要があるものまで、かゆみの原因となる病気の種類はさまざまです。
特にかゆみは飼い主が気付きやすい症状の1つで、かゆみの程度も少し掻いてる程度から睡眠の妨げになることもあり、不愉快に感じている子もいます。
今回はご自宅でチェックして欲しいこと、ケアについてお話します。
病院に連れていく前、治療中にしておくと良いチェック🏥
また、次の項目をメモしておくと診断の手助けとなることも多いです。
自宅でできる皮膚ケアのポイント🐩
そもそも「かゆみ」を起こさないためにはどうしたらいいでしょうか? 自宅での皮膚ケアのポイントをご紹介します。
■皮膚のチェック
被毛を掻き分けて地肌をチェックしましょう。特にお腹や股は、おしっこなどの排泄物で汚れてしまっていたり、蒸れて症状が出やすい場合がありますが、見落としがちです。欠かさずチェックするようにしましょう 。
■皮膚を清潔に
・ブラッシング
被毛の生え変わる季節(春と秋)は特に重要です。毛艶をよくするだけでなく、皮膚の異常に早期に気づけることもありますので、普段からわんちゃんとのコミュニケーションの一つとして継続をしましょう。
・シャンプー
一般的な頻度は1ヶ月に1回程とされていますが、皮膚のコンディションによって、使用するシャンプー剤や頻度は異なります。気になる症状がある場合は、獣医師に相談をしましょう。
・保湿
保湿をすることで皮膚のバリア機能が強化されます。特に空気が乾燥する季節はお部屋の湿度にも注意しましょう。
■外部寄生虫の予防
ノミやダニなどの寄生虫が皮膚のかゆみの原因となる場合もあります。人が持ち込んでしまう場合もありますので、完全な屋内飼育であったとしても予防をしっかり行いましょう。
かゆみの原因は様々です。原因など詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
それぞれの病気によって、症状や治療法も異なります。適切な検査を行い、原因をつきとめるためにも、家でのご様子のメモやお話が重要になってきます。また、治療にあたるためにも、家でのケアが必要になります。早めにかゆみを取り除いてあげられるように早期診断・治療してあげることが大切です。
■どんな病気?
細菌感染によって皮膚に炎症が起こる病気です。皮膚に、にきびやかさぶたのようなものが複数(場合によっては多数)作られて、多くの場合かゆみを伴います。
脱毛・表皮小環 | 紅斑・湿疹 |
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■原因
皮膚のバリア機能が低下するような基礎疾患(アレルギーやホルモンの病気、免疫力の低下など)や、体質(遺伝的に皮膚が弱い犬種、皮膚が過度に脂っぽい・乾燥しやすい等)、また高温多湿などの環境の変化によって、皮膚に入り込んだ細菌が増殖することによって起こります。
■治療
感染している細菌を減らすために抗生物質を投与します。皮膚の状態によっては、抗菌剤入りの薬用シャンプーで洗うことも有効です。かゆみがひどい場合には、かゆみ止めや消炎剤も使います。
■予防
定期的なシャンプーやブラッシングで皮膚や被毛を清潔に保つことを心がけましょう。その子に合ったフードを与えることや、皮膚のバリア機能を高めるためのサプリメントも有効です。基礎疾患がある場合は、その治療が重要になります。
■どんな病気?
様々な原因が影響し合って起こる外耳道の炎症です。
主な原因には、異物の混入や細菌・真菌・寄生虫感染があります。その他、アレルギーや免疫・代謝の異常といった生まれつきの体質などが挙げられます。
また、犬や猫の外耳道は途中でL字型に曲がっているために、人間よりも耳垢がたまりやすくなります。特に耳の垂れている子は、耳の中が蒸れやすいことも外耳炎を悪化させます。
■こんな症状があったら病院へ!
・耳の中が赤くなる・腫れる
・耳垢が多く出る
・耳から嫌なにおいがする
・耳を頻繁に掻く
・頭を良く降る
・耳を触られるのを嫌がる
■治療法
上記のような症状があったら、まずはそのまま病院へお連れください。
耳垢がたまっているからといって綿棒などで掃除をしても、原因の根本的な解決にはならないだけでなく、逆に耳道を傷つけてしまい、炎症を悪化させることにもなりかねません。
病院できちんと診察を受けて、洗浄液を使って耳道をきれいにしたり、点耳薬や内服薬を使用したり、原因に合った治療を開始することが大切です。
■予防法
・耳の中が蒸れないように、耳の中の毛を抜く(耳毛が生えている子)
・シャンプーをした後は、耳の中もしっかりと乾燥させる
外耳炎は、放っておくと炎症が中耳にまで波及して、症状がより重度になる恐れがあります。
少しでも症状が認められたら、早めにご相談ください。
獣医師 橋田