耳がかゆい!外耳炎の原因と治療について
耳を気にしている、治療しても外耳炎を繰り返す、など耳のトラブルを抱える子は多くいます。ある調査によると動物病院を受診するワンちゃんのうち、およそ6頭に1頭が耳の疾患で受診しています。
耳の問題は外から分かりづらいことも多く、ワンちゃんネコちゃんにとって、痒みや違和感は大きなストレスとなり、QOL(生活の質)が下がってしまいます。さらに外耳炎を放置しておくと、より重大な問題につながってしまうこともあります。
今回はそんな外耳炎についてのお話です。
【外耳炎とは】
外耳炎とは、耳の入口から鼓膜までの外耳道と呼ばれる場所に起きる炎症のことであり、犬猫では比較的遭遇することの多い病気です。
下図のように耳道がL字の構造をしており、耳の入口から縦方向に垂直耳道、その奥から横方向に水平耳道が続きます。
耳垢腺から分泌される汗や脂質が角質と混ざり、耳垢となります。耳垢には外耳道内に常在する細菌やマラセチアなどが少数含まれていますが、過剰に繁殖すると外耳炎になります。

【症状】
⬜︎耳を引っかく、頭を振る、顔が傾く
⬜︎耳が臭う
⬜︎耳を壁や床にこすりつける
⬜︎耳を触ると嫌がる、鳴く
⬜︎耳垢が増える
急性外耳炎の場合、一気に耳が赤くなったり腫れたりすることがあるので、耳を気にする素振りがあれば、早めに耳をめくってチェックをしてみてください。外耳炎は悪化すると、中耳炎や内耳炎を引き起こし、強い痛みや神経症状にまで進行してしまうこともあります。
外耳炎は、犬でよくみられる病気のひとつですが、特プードル系、スパニエル系、レトリーバー系、ブルドッグ系といった犬種は外耳炎が発生しやすいと言われています。耳のかたち(垂れ耳)の違いや耳の中の分泌腺の違いなどが理由のようです。
また、猫だとスコティッシュ・フォールドやアメリカン・カールのような折れ耳の猫は、耳垢が溜まりやすく耳道に湿気がこもりやすいため注意が必要です。
外耳炎になりやすい犬種、猫種は、普段から耳の状態をチェックすることが大事です。特に耳の奥の方はおうちで見ることが出来ないので、病院での定期的なチェックが必要です。
【原因】
様々な要因が単独もしくは複数関与して起こります。
⬜︎細菌や真菌などの感染
最も多い原因です。細菌感染やマラセチアなどの真菌の繁殖により耳の中の環境が悪化することにより起こります。
⬜︎寄生虫
ミミヒゼンダニは耳の外耳道に寄生するダニであり、寄生されると強い痒みを伴います。耳垢を顕微鏡で観察することでこのダニが見つかることもあります。
⬜︎アレルギー性
犬ではアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの症状として、猫では食物アレルギーの症状として外耳炎がみられることがあります。この場合には、外耳炎の治療と並行してアレルギーに対する治療が必要です。
⬜︎脂漏症
脂漏症とは、何らかの原因により皮脂が多く分泌され、耳垢が多く作られます。そこに細菌やマラセチアが二次的に増殖することで外耳炎となります。
⬜︎その他(異物やできもの、外傷など)
耳の中にできものができたり、植物の種などの異物が入ってしまったりすることで炎症が起こることがあります。
【診断】
症状から外耳炎と診断することは比較的簡単にできますが、なぜ外耳炎になったのか、なぜ治らないのか、その原因を突き止めていくには時間や手間がかかることもあります。
原因を探るためには、耳の状態を直接観察する(耳鏡検査)だけでなく、耳垢を顕微鏡で観察する検査(耳垢細胞診)、原因となる細菌を特定する検査(細菌培養検査)、レントゲンやCT検査など、様々な検査が必要となることもあります。
【治療】
外耳炎の一般的な治療は、耳の中をきれいに洗浄し、症状に合った薬で炎症を抑えていきます。薬は点耳薬の他にも、状況に応じて駆虫薬や飲み薬を処方することもあります。
また、外耳炎の治療と一緒に、必要に応じてアトピー性皮膚炎などの原因に対しての治療を行います。
【意外と外耳炎は複雑?!】
もともと耳の中は、耳垢が自然と奥から外側に出てくる自浄作用という働きを持っています。何らかの原因でこの自浄作用が働かなくなると耳の中の環境が悪化し、外耳炎を引き起こします。
特徴的な耳の構造などの動物側の要因や、ジメジメとした高温多湿の気候などの環境側の要因、また外耳炎の悪化によりさらに耳の腫れがひどくなるといった悪循環など、複数の要因が組み合わさっていることも多く、ひとつだけ原因を取り除いても治りきらない、といったこともあります。
【さいごに】
一言で外耳炎と言ってもその原因や治療方法は様々です。
普段からワンちゃんネコちゃんの正常な耳を知っておくことで異変に気付くことができるため、日々のスキンシップの時に耳も触るような習慣をつけてみてください。



