🦷歯周病について🦷
■どんな病気?
わんちゃんねこちゃんは自分で歯磨きができません。しかし、 3歳以上の約80%が歯周病 にかかっていると言われています。
歯垢は、食事をしてから6〜8時間後に歯の表面に付着します。歯垢が石灰化して歯石になる期間は、人では約20日かかります。しかし、犬ではたった2-3日で歯石になります。
歯石には細菌の塊や食べかすを含む歯垢に唾液中のカルシウムやマグネシウムなどと結びついて石灰化したものです。歯石は表面がザラザラしているのでさらに歯垢が付きやすくなります。
歯肉に細菌が入り込んで炎症を起こしたり【歯肉炎】、さらに進んで歯周ポケットに歯垢が入り込んで炎症が起きます【歯周炎】。これらの総称が【歯周病】です。
歯周病が進行すると、歯槽骨が溶けてしまい、歯が抜けたり、ひどい時は下顎の骨が折れることがあります。
炎症部分の粘膜では血管から細菌が入り込み、心臓病や腎臓病などの引き金なることもあります。
■症状
口臭
よだれ
歯肉の赤み、出血…ハミガキ時に出血しやすくなります
痛み…食べづらいや痛みにより、食欲の減退がおきます
鼻炎…歯周組織が破壊された結果、炎症が鼻腔にまで達し、鼻水やくしゃみが出やすくなります
歯根膿瘍…歯の根元に膿がたまり、目の下付近の皮膚が腫れ上がります 皮膚が破けて膿が出てくることもあります
■治療
全身麻酔下で超音波スケーラーという機械を用いて歯石の除去や歯周ポケットの清浄化を行います。
スケーラーで歯石を除去した後、歯の表面が凸凹しているため、ポリッシングを行い、歯の表面を滑らかにし、歯垢や歯石を付きにくくします。
歯槽骨の破壊が重度であったり、歯根膿瘍が認められる場合は抜歯処置が必要になる場合もあります。
無麻酔下では歯周組織を傷つけたり、動物たちに痛みや恐怖心を与えるため、大変危険です。
■予防
歯周病対策は、自宅でのデンタルケアです。 ⇨歯磨き🪥の仕方はこちらから
歯垢は2-3日で歯石になるので、 歯磨きの頻度は3日に1回以上、できれば毎日しましょう!
トラブルが多い歯は犬歯と第4前臼歯(1番大きい奥歯)です。これらの歯が歯周病に進行すると、鼻炎や歯尖膿瘍の原因になりやすいので重点的にケアしましょう。また、歯と歯肉の境目を磨くように意識しましょう♪
獣医師 五味