【病気について】ハムスターの皮膚のできもの
はじめに
今回はハムスターの皮膚にできるしこりについてお話します。もともと体の小さな子たちであり、体のフォルムも丸くて皮膚表面は毛に隠れがちなため、しこりを早期に発見するのはなかなか困難であると言えます。
手に乗せてハムスターと触れ合った時に気づいたり、壁伝いに立ち上がってるところを見たときにお腹の表面にしこりがあることに気づいて来院されるケースなどが多いですが、別件でお連れ頂いた時に診察してみて初めてしこりがあることが判明する場合もあります。例えば耳の入り口や耳道内部などはご自宅ではあまり見る機会は少ないかと思いますが、発生する可能性のある部位の一つです。
しこりの原因も様々で、炎症反応によるもの(膿の貯留)や、良性・悪性の腫瘍性病変、内臓が腹筋の裂け目から皮膚の下に飛び出る腹壁ヘルニアなど考えられるものは多く、見た目だけでの判別は難しいものとなります。なかには正常な構造である臭腺を病気でないかと心配されてお連れになるケースも時折見受けられます。
症状
発生したしこりの種類によります。炎症による膿の貯留などはあまり大きくなくても痛みにより元気や食欲に影響することがあります。腫瘍は良性のものであればよほど大きくならない限りは症状を伴わないことが多いですが、気にして引っ搔いたり地面と擦れて爛れて出血することがあります。悪性のものは他の臓器へ転移を起こすと体調悪化に繋がります。また、発生部位によっては手足や口の動かしづらさに繋がることも考えられます。
こちらの画像は体の側面にできたしこりです(赤矢印)。最初は小さなしこりでも、時間の経過により数センチ程度まで成長することも少なくありません。
原因
明確な原因の追究は難しいことがほとんどですが、炎症性のものは細菌感染による影響や、腫瘍性のものは加齢や遺伝、ウイルス感染などが考えられます。
治療
原因や状況により治療方法は変わります。気づいてから様子をみている1~2週間程度の間にサイズの増大が認められることも少なくないので、何かしこりが見られた場合には、特に症状はなくとも様子を見ずに一度受診をオススメします。
病院ではしこりの触診や視診、発生の仕方や部位の情報、超音波やレントゲンなどの画像検査、細胞の検査(細胞診、病理検査)を組み合わせて診断します。ですが実際には良性か悪性かの判断は見た目だけではできず、手術による切除後の病理検査を行うまで明確な診断がつかないケースもあります。
感染や炎症が原因であれば適切な抗生剤や消炎剤による治療で治る場合も多いですし、腫瘍が疑わしいケースでは外科的な治療が必要になります。また、良性の腫瘍が疑わしく、増大のペースがゆっくりでほかに何も症状を伴わない場合にはまずは経過観察とすることもあります。
以上のように発生部位や症状の有無、さらには手術が行える状態かどうかなどにより治療方針は様々と言えますので、その子とご家族にとって最適な治療をご相談の上で決めていくことになります。


