原因不明の猫ちゃんの膀胱炎
■猫の特発性膀胱炎■
膀胱炎は性別、年齢に関係なく発症し、原因は細菌感染や尿石症など様々ですが、その中でも明確な原因が特定できない特発性膀胱炎は5歳以下の若いオス、特に不妊手術をした太り気味のネコちゃんに多くみられます。また、少しの環境変化にすぐ気付くような繊細なネコちゃんでも発症が多いです。膀胱炎は治療すれば再発しないこともありますが、特発性膀胱炎は様々な検査をしても原因が特定できないため、繰り返すケースが多いことも特徴です。症状が悪化すると尿道閉塞や腎不全などを併発してしまうこともあります。
以下に特発性膀胱炎をおこしやすいネコちゃんの特徴をいくつか挙げてみます。
・去勢、避妊済
・トイレの問題がある(掃除、数、場所、形、中身などが適していない)
・主な食事がドライフード
・肥満
・運動不足
・多頭飼育
・2~5歳齢
・飲水量が少ない
・生活環境の変化(例えば引っ越しなど)
・臆病、神経質
では、特発性膀胱炎をおこさないためにどのような対策ができるのでしょうか。
対策①:ストレスに配慮する
まずはネコちゃんのストレスとなるものがないか、よくおうちの環境を観察してみましょう。
2013年にAAFPとISFMという世界の大きな猫学会が、ネコちゃんにとって快適な飼育環境づくりのガイドラインを5つの柱に分けて解説しています。
【AAFP&ISFM 猫にとって快適な飼育環境5つの柱】
- 猫にとって安全な場所を作る
- 複数の離れた場所に大事なものを用意しておく(トイレ、フード、水、爪とぎ、など)
- 遊びや捕食行動の機会を作る(知育おもちゃなど)
- 好意的で一貫した態度で予測可能な行動をとる人と猫の交流をもつ(内弁慶な性格の猫を無理やり他人の前に引っ張り出さない、大きな声を出さない、など)
- 猫の嗅覚の重要性を尊重した環境をつくる(強いにおいのするアロマを使わない、フェロモン剤の使用を検討する)
対策②:おしっこの濃さを調整する
具体的にはお水を飲む量を増やすことでおしっこの濃さを薄めることができます。そのためには下記のような対策方法があげられます。
・ お水を飲める場所を増やす、給水方法を工夫する
・ 飲水量やおしっこへの水分を増やすような配慮のされているフードを選ぶ
・ 適度な運動で喉を乾かせる
まずはお水をたくさん飲ませるために、複数の水飲みボウルを設置する、自動給水機を使うなどの工夫をしてみましょう。
ドライフードをウェットフードに変えてみることも水分補給量を増やす一つの方法です。タンパク質や塩類(ナトリウムなど)が多く含まれているフードを食べるとお水をよく飲んでくれるようになるといわれていますが、バランスの取れた食事を摂ることが大切ですので、フードの変更については獣医師にご相談ください。
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