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2024年4月24日(水)

健康診断や泌尿器の病気を疑うとき、尿検査をお勧めすることがあります。

人でも健康診断のひとつとして、尿検査は身近な検査ですよね。ただ、尿検査はなにを調べているのか、そこからどんな病気が分かるのか、知っていますか?


“うんちは健康のバロメータ―” と聞いたことがあるかもしれません。
おしっこも同じであり、体の異変が外に現れてくるもののひとつです。誰が見ても分かるような赤い尿をしていると何かの病気!?とすぐに病院に連れていくことができると思いますが、見た目に変化がなくても詳しい検査をしてみると異常だった、ということもあります。

 

尿ってなに?

そもそも尿ってどこで、何のために作られているか知っていますか?
尿とは体の中の不要な物質を捨てるためのものです。不要な物質を最低限の水に混ぜて体の外へと捨てます。
尿がつくられる場所は腎臓ですよね。腎臓で作られた尿は尿管という細い管を通って膀胱に溜められ、やがて尿道から外へ捨てられます。

ということは、腎臓や尿管、膀胱、尿道といった尿の通り道に異常が起こると、血が混じったり(血尿)、細菌が混じったりして尿に異常が起こることは分かりやすいですね。

でも実はそれだけではないんです。

尿は“血液”から作られます。血液が腎臓を通りぬける時に、血液の中の不要な物質と水が尿として尿管の方へ流れていくのです。なので、血液の中に混じっている異常も見つかることがあります。
 

 

尿検査で分かること

尿検査で分かる異常をおおまかに下の表にまとめました。
 
☑︎尿比重
尿の濃さをみるもので、腎臓がきちんと働いていると濃い尿がつくられる。薄い尿の場合は腎臓がきちんと機能しているのか、他の検査も併せて判断する。
☑︎pH
尿にも酸・アルカリがあり、犬猫の正常は6~7(若干の酸性~中性)である。このpHが酸性やアルカリに傾いているとできやすい尿石がある。
☑︎グルコース(糖)
正常なら尿の中に糖は混じらない。糖が混じる=血液の中の糖が多すぎる場合(糖尿病)や、腎臓の異常(腎性尿糖)が考えられる。
☑︎尿蛋白
尿の中にタンパクが混じるときに考えられるのは、血液中に異常なタンパクが混じっている可能性、腎臓疾患、膀胱や尿道に炎症や腫瘍がある可能性である。
☑︎ケトン
通常は陰性で、陽性の場合には栄養や代謝の問題を考える(例えば糖尿病)。まれに尿の色が強いと陽性となることもある。
☑︎潜血
尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかで出血すると、尿に血が混じる。
☑︎ビリルビン
ビリルビンとは赤血球が分解されたときに出てくる色素のことで、胆汁に含まれており、尿にでてくることはない。犬では通常でも尿の中に少し混ざることはあるが、猫では混ざっているとどこかに異常があると考える。ビリルビンが尿に混ざったときに考えられる病気は、赤血球が壊される疾患(溶血性貧血)や、肝臓・胆道の疾患である。
☑︎沈渣の顕微鏡所見
尿の中に異常なものが混じっていないか顕微鏡で確認する。細菌、血の成分(赤血球や白血球)、結晶(尿石の成分)、細胞など。
 
このほかにも前立腺、子宮に病気起きている場合にも血尿などの異常が現れることがあります。
尿検査からこんなに多くのことが分かること、少しびっくりではありませんか?
ここから分かるように尿検査は基本的ですが、とても重要な検査のひとつで、よく健康診断の項目にも入ってきます。
 

こんな時は尿検査を!

こんな症状がある場合には動物病院を受診して、尿検査を含めた検査を受けるべきかどうか相談してくださいね。
☑︎尿の色がいつもと違う(薄い、赤い、茶色いなど)
☑︎頻尿、1回で出る量が少ない
☑︎尿をするときに痛そうに鳴く
☑︎尿をする姿勢をとるが、ほとんど出ていない(緊急性があるかもしれません!至急来院してください
 

さいごに

症状が無くても目には見えない異常が隠れている場合もあるため、定期的に健康診断のひとつとして尿検査を受けることをおすすめします!
 
当院では、ご自宅で尿を採取するための採尿キットを無料でお渡ししています。
本投稿を読んで興味が湧いた方は、ぜひご自宅のワンちゃんネコちゃんの尿を採取して当院に持ってきてみてください!
2023年12月14日(木)

 

 

最近、おしっこの量や水を飲む量が増えていませんか?

腎臓は『尿を作る』という大事な機能をもった臓器です。

腎臓病は症状が現れにくく、食欲不振などの症状が出たときにはかなり深刻な状態になっていることもあります。このため、早期発見・早期治療が大事な疾患の一つです。

今回は、高齢時に遭遇しやすい慢性腎臓病についてお話します。

 

慢性腎臓病とは?

 

腎臓病の原因はまだよくわかっていません。

腎臓病は、腎臓に障害を与えるさまざまな病気などが、長年にわたって少しずつ腎臓の組織を壊し、ある一定のダメージを超えると急速に進行すると考えられており、高齢の犬や猫ほど、腎臓病になる割合が大きくなります。
猫の場合、15歳を超えた猫の30%が慢性腎臓病と言われています。

 

 

慢性腎臓病(腎疾患)が疑われる症状

 

早期発見のためにも慢性腎臓病が疑われる症状をチェックしてみましょう。

犬と猫の腎臓病で、最も早期に現れる可能性がある症状は、多飲多尿(水をよく飲み、たくさん尿をするようになること)です。

以下の症状に気づいたら、すぐに動物病院に相談しましょう。
 
 
腎臓病を疑う時のチェック項目
 
  • 水をたくさん飲むようになった
  • おしっこの量が増えた
  • おしっこのにおいが気にならなくなった、においが減った、色が薄い
  • 便秘がちになった
  • 被毛がぼそぼそしてきた
  • 食欲がなくなってきた
  • 口臭が気になるようになった
  • やせてきた
  • 歯グキが白くなってきた
  • よく吐くようになった

 

よく水を飲む おしっこが多い 痩せてきた よく吐く

 

 

慢性腎臓病を見つけるのに必要な検査

 

尿検査、血液検査、超音波検査などを組み合わせて診断します。

腎臓病の早期発見に重要なのは尿検査で、血液検査よりも早期に異常を見つけられることが多いです。

また、血液検査でも犬ではシスタチンC、SDMA、猫ではSDMAといった、腎臓の循環を把握することで腎臓病の早期発見に役立つ検査もあります。

高齢の子の健康診断では血液検査だけではなくなるべく尿検査も受けるようにしてください。

超音波検査では腎臓の構造異常や腫瘍の疑いがないかを調べます。

 

IRISステージ分類(重症度)と悪化因子の検査

 

各種検査で慢性腎臓病と診断されたら、重症度のステージ分類を行います。

食欲低下や体重減少など目に見えて症状が出てくるのはステージ3以降のことが多いと思います。

 

また、高血圧蛋白尿は腎臓病を進行させてしまう悪化因子として重要なため、まずはその有無を検査します。

猫ちゃんでは甲状腺機能亢進症も腎臓病の悪化因子として重要なので検査をお勧めしています。

 

腎臓病(腎疾患)の治療について

 

一度障害を受けてしまった腎臓は元に戻ることはできません。

腎臓病の治療は残りの腎機能を維持させることが目標となります。

 

腎臓病の治療

 
①食事療法(腎臓療法食:低タンパク食、低リン食)、サプリメント
 腎臓病は食事中のリンを制限することがとても大切です。
 リンを適切に制限することにより、一般食を給餌した症例よりも生存期間を延長すると言われています。
 
②内科療法
 ・降圧剤
 ・輸液療法など
 

輸液療法とは?

 

腎臓病になると、病院での静脈点滴のほか、自宅で点滴(皮下点滴)を実施することもあります。

これから皮下点滴にチャレンジしようとしている方は、動画付きで解説していますので参考にしてみてください。

自宅での皮下点滴のやり方

 

まとめ

 

多飲多尿というのは一つの症状で、慢性腎臓病を早期に発見するための重要なサインです。なるべく早期に腎臓病を発見して、進行しないように治療を始めてあげましょう!

 

当院のドッグ・キャットドックのシニアコースでは早期に腎機能を評価する検査を取り入れています。

7歳以上のわんちゃん、猫ちゃんは早期発見のためにもシニアコースをぜひご活用下さい。

ドックドック・キャットドックシニアコースについてはこちら

 
2022年10月12日(水)

■どんな病気?

おしっこを貯める臓器である膀胱で炎症が起きてしまう病気です。

 

■原因

ワンちゃんでは、大腸菌などの「細菌感染」による膀胱炎が多くみられます。尿道を通って細菌が膀胱に入り込んでしまうことで感染が生じます。他にも膀胱結石や腫瘍などが刺激となって膀胱炎となってしまうこともあります。

また、猫ちゃんでは原因がはっきりとしない「特発性膀胱炎」も多くみられます。ストレスや環境の変化が要因として考えられています。

 

 

■こんな症状が見られたら病院へ

・トイレによく行く

・1回あたりにするおしっこの量は減る

・おしっこをするときに痛そうにする(力んでいる、鳴くなど)

・おしっこの色、臭いが変わる(血が混じるなど)

 

 

診察時におしっこを持ってきていただくとスムーズな検査が可能です。

直接紙コップなどで採るほかに、ペットシーツを裏返してその上でおしっこをしてもらう、などの方法でおしっこを採ることができます。

おしっこ用の容器もお渡ししているので、ご相談ください。

 

■診断・治療法

病院では尿検査、エコー検査などを行い、膀胱炎であること、またその原因を特定していきます。細菌感染がある場合には主に抗菌薬を使って治療を行います。

結石や腫瘍がある場合、それらに対する治療を並行して行って行きます。

 

■予防法

原因として1番多い細菌性膀胱炎に対しては、膀胱内に細菌の侵入するリスクを減らすことが大切です。対策として、トイレを長時間我慢させないようにし、排泄しやすいトイレ環境を整えてあげましょう。また、外陰部やペニス周囲の皮膚は、排泄による汚れが付着しやすいので、清潔に保つと良いでしょう。

膀胱炎は放置しておくと感染、炎症が拡大して命にも関わってくる病気ですので、日頃からおしっこの様子をよく観察して、早めに変化に気づいてあげることが大切です。

気になる様子がありましたら、お気軽にご相談ください。

獣医師 飛田

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