てんかん発作!その時どうする?
【てんかんについて】
てんかんとは、脳からの異常な電気信号により、繰り返しけいれん発作を起こす病気です。完治は難しいですが、抗てんかん薬で発作をコントロールすることが可能です。てんかんは、特発性てんかんと症候性てんかんに分けられます。
特発性:脳の病変はなく、検査上では異常が見られないもの
原因不明
犬に多い
症候性:脳腫瘍や脳炎、奇形など脳に明確な病変があるもの
脳に構造的異常はなくても、低血糖や腎不全、肝不全、ミネラルの異常などにより、二次的に脳に過剰な興奮が生じるもの
猫に多い
【てんかんの症状】
てんかんの症状は、体の一部に症状が見られる焦点性発作(部分発作)と、全身的に見られる全般性発作(大発作)に分けられます。
焦点性発作
脳の一部分に異常な電気信号が起こって、その部分にだけ症状が出る発作で、症状は様々です。意識を失わないことがほとんどです。

全般性発作
脳内全体に異常な電気信号が広がり、そのために体の自由がきかなくなり、全身に異常な動き(けいれん)が起こります。多くの場合は意識を失っています。

このような症状の出るてんかんですが、発作はたいてい数分以内におさまります。そのためすぐに命に関わることはない場合もありますが、1日に何度も発作を起こしたり、5分以上も発作が続くときはてんかん重積をいう状況でとても危険です。すぐに受診してください。
また、発作から回復したあとには、ボーッとしたり徘徊、攻撃性、視覚の消失、後ろ足のふらつきなどが出る場合もあります。発作後の様子は様々ですが、回復に数分から数日かかる場合もあります。
【てんかんの対処法】
ご家庭の大切なペットがてんかん発作を起こしてしまったとき、特に初めての時は飼い主様も動揺してしまうと思います。だからこそ、どのように対処すればよいのかをしっかりと確認しておきましょう。

焦点性発作(部分発作)の場合は、優しく声をかけたり背中をなでたりして注意をそらすと発作がおさまる場合もあります。ただ、そうならない場合もあるので注意が必要です。
発作後の受診の際にお伝えいただきたい内容としては、発作の続いた時間や、おさまってからの様子、また発作時の動画などがあると診断の助けになります。
当院では、一度てんかん発作を起こしたことのある症例には、発作時にご自宅で対応していただけるように、点鼻薬や坐薬をお渡しいています。使い方などについては処方時にご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
【てんかんの治療】
脳炎や脳腫瘍などが原因の症候性てんかんでは、その原因治療を行います。
特発性てんかんでは抗てんかん薬を使用しますが、これはてんかんを治すための治療ではなく、てんかんを起こりにくくするために使用します。発作の頻度を抑えたり、発作の持続時間を短くしたり、発作を軽くすることを目的としています。
抗てんかん薬を始める目安としては…

抗てんかん薬でてんかんを治すことはできません。現在のところ、特発性てんかんを治す方法はまだありません。しかし、抗てんかん薬により、てんかん発作による脳の損傷を予防し、寿命を短くさせないとともに、ご家族の心配を取り除くことが治療の大きな目標になります。
てんかん発作を目の当たりにしてしまうと焦ってしまうお気持ちは十分理解しています。だからこそ、発作時のご自宅での対応など、事前に準備できることについて普段の診察でご相談いただければと思います。



