どんな病気?
陰部から子宮に細菌が入り込み、子宮内に膿がたまり、炎症をおこす病気です。
たまった膿で子宮が破裂したり、細菌が出す毒素が全身に回ると最悪、死に至るケースもある病気です。
未避妊の6歳以上の犬で起こりやすいです。発情出血(生理)後1-2ヶ月に多発します。
症状
・陰部より血や膿がでてくる(でない場合もあり) | ・いつもより発情出血(生理)が長い |
・食欲・元気がない | ・吐き気・下痢などの消化器症状 |
・お水をよく飲む | ・おしっこがよくでる |
・お腹が張ってくる |
診断
レントゲン、エコー検査で液体貯留した子宮を確認します。
血液検査では白血球や急性炎症のマーカーが増加します。
状態が進行していると、腎数値や肝数値の上昇や貧血を起こすこともあります。
治療
・手術による治療
全身麻酔をかけて、手術により膿の溜まった子宮・卵巣を摘出します。
細菌からでる毒素が血液にのって全身に回り、多臓器不全が起きる場合もあり、点滴や抗生物質を注射するため、数日は入院が必要になります。
正常な卵巣・子宮 | 子宮蓄膿症 |
・内科的治療
高齢などの理由で手術ができない場合に点滴や抗生剤の注射や膿を排出させる注射などで治療することはあります。ただし、この治療で改善しないこともありますし、仮に改善したとしても、再発する恐れがあるので、注意が必要です。
予防
避妊手術(卵巣・子宮摘出術)を行うことが大切です!
獣医師 五味
猫は尿石症になりやすい動物です。
また、これからの寒い時期は特に尿石症のリスクが高くなりますので要注意です。
■どんな病気?
猫の腎臓から尿管、膀胱、尿道までを「尿路」と言いますが、そこに結石ができた状態を、「尿路結石」と言います。
下部尿路疾患(FLUTD)という病名を良く耳にするかもしれませんが、下部尿路疾患は尿路結石を含めた膀胱炎や腫瘍など、下部尿路全般の病気を示します。
■原因
猫の尿石症で見られる結石は主にストルバイト、シュウ酸カルシウムの2種類です。
ストルバイト | シュウ酸カルシウム |
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■こんな症状が見られたら病院へ
☑トイレの回数が増える
☑おしっこをしようとしてもなかなか出ない
☑いつもと違う場所でおしっこをする
☑おしっこの時、痛がる
☑おしっこが赤い、血が混じっている
☑陰部をしきりに舐める
■治療法
尿石症は食事療法がとっても重要です。尿のpHを調整したり利尿を促したりする工夫がされた療法食が必要になります。
結石が尿道に詰まって排尿が出来なくなる「尿道閉塞」の場合には、カテーテルによる応急処置や外科手術を行うこともあります。
2~3日も排尿できない場合は尿毒症となり命に関わってきますので、早めの対処が重要です!!
■予防法
猫の尿路結石は、再発しやすい病気です。
食事内容に気をつけることはもちろん、肥満と運動不足も原因となりやすいので、充分に注意しましょう。また、猫は基本的に飲水量が少ない動物です。食事をドライフードをふやかしたり、ウェットフードにするなどして、飲水量を増やすように工夫してあげましょう。 愛猫の排泄の様子を日頃から良く観察して、頻尿になっていないか、排尿量が極端に少なくなっていないかなどを、チェックしてあげてください。
獣医師 淺井
■どんな病気?
犬には、胸からお腹にかけて左右5対の乳腺があります。その乳腺の一部が腫瘍化し、しこりができる病気が乳腺腫瘍です。メス犬では最も多い腫瘍の一つです。
乳腺腫瘍には良性と悪性があり、悪性の癌である確率は約50%と言われています。
■原因
乳腺腫瘍が起こる原因ははっきり分かっていませんが、性ホルモンの影響、乳腺障害(乳腺炎等)、肥満によってリスクが高まることが報告されています。
中でも、最も強く関連している「性ホルモン」の影響については知っておく必要があります。
■こんな症状がみられたら病院へ!!
乳腺にできたしこりの大きさや増殖スピードは自宅での『触診』がとても重要になります。乳腺にしこりをみつけたらまず病院で相談しましょう!
以下の場合は悪性の可能性が高くなるので要注意です
① しこりが大きい
② 急速に大きくなる
③ 出血などしこりに炎症を伴うもの