【更新】デンタルケアシリーズ②〜猫の歯の病気について考えてみよう〜

前回は歯周病の危険性やわんちゃんのデンタルケアについてお話しいたしました。
今回は、ねこちゃん特有の歯の病気やデンタルケアについてお話ししたいと思います。
可愛いペットに顔を近づけたら口臭がする!!最近固いものを食べづらいそんな症状はありませんか?
それはまさしく”歯周病のサイン”です。
歯周病は、歯石が付着することで歯の周囲や歯茎が赤くなる病態です。
しかし、歯周病以外にもねこちゃんには「ネックリュージョン:破歯細胞性吸収病変」という特殊な歯の病気があると言われています。
ネックリュージョン(破歯細胞性吸収病変)
どんな病気?
特に中高齢の猫ちゃんの多く見られる歯の病気です。
この病気は歯の表面から削れていき、歯髄(歯の中を通っている神経や血管)が露出することにより、強い痛みを伴う歯の病気です。
下の写真の歯茎の赤い部分が歯が溶けている部分です。レントゲンで見ると、歯が透けて黒くなっている部分が病変部分です。


一見歯石はついておらず、歯周病や口内炎も起こしていません。
見た目は地味な病変ですが、とても強い痛みを伴う歯の病気になります。
症状が重度になると、歯冠部(歯肉より上の見えている歯の部分)が完全に溶け、歯の根っこだけが残ってしまう場合も。。。
症状が認められた歯は非常に脆く、徐々に歯が欠けさらなる痛みが強くなっていきます。
原因は?
ネックシュージョンは歯が欠ける病気ではありますが人で見られる虫歯とは異なります。
まだ、はっきりした原因は分かっていませんが、口腔内の免疫異常が原因と考えられています。
治療や予防は?
歯の欠損が重度の場合は、歯根からの抜歯を行います。
免疫異常が原因と考えられているため、残念ながら歯磨きだけでは予防できません。
ネックシュージョンは下顎の臼歯など見えずらいところにも隠れていることがあります。
罹患すると、口の痛みが強く触れられることを極端に嫌がるようになります。
早期発見のためにも、子猫の頃からお口の中を見られるように、普段からお口を触っておきましょう。
猫のデンタルケア
ネコちゃんと過ごす中で口臭やよだれが出ていることに気づく飼い主さんも多いのではないでしょうか?
「うちの子に歯磨きは無理……。」
「ネコちゃんの歯磨きのやり方がわからない」
という飼い主さんも多いと思います。そのまま放置してしまうと歯周病になってしまう恐れがあります。
実は、2歳までのネコちゃんの約70%が歯周環境に課題があるとも言われています。
歯とお口のケアは大切な健康管理の1つです。
些細なことでも気づいたら、お早めにご相談ください♫
今回は猫のデンタルケアについてご紹介します🦷
ネコちゃんもワンちゃんと同じように、歯ブラシでのデンタルケアは子猫のときに始めないと難しいです。
歯磨きを無理強いするのは、飼い主さんにもネコちゃんにも負担にもなります……。
そのため、歯磨きにむけてのステップアップが大切です✨
ステップ① お口を触られることに慣れさせよう!
ネコちゃんがリラックスしているときに、顔や口元をやさしくマッサージしましょう!
いきなり歯ブラシで歯磨きするのはNGです⚠️
徐々に慣れてきてくれたら、唇をめくったり、歯ぐきを触ったりしていきましょう!
唇は頬側からめくると、お口の中が見やすいです!
このときに、絶対に無理強いさせないことが大切です!!
触らせてくれたり、ステップアップすることができたら、その度に褒めたりご褒美のちゅーるなどをあげると、口元を触らせたらご褒美がもらえると学習してくれます😊
ご褒美の習慣は忘れないようにしましょう!毎日こつこつと練習してあげるといいと思います🦷
ステップ② 歯磨きシートなどで歯をケアしましょう!
歯を触らせてくれるようになったら、歯磨きシートなどを指に巻いて、歯を1本ずつ磨いていきましょう!
歯磨き1回で全部の歯を磨く必要はありません。
ネコちゃんが許してくれる範囲で何回かに分けて磨くかたちでも大丈夫です🦷
ステップ③ 歯ブラシでのデンタルケアをしてみよう!
まずは、歯ブラシを歯にあてることから始めましょう。
歯ブラシは鉛筆のように持ち、軽く握りましょう✏
ネコちゃんの歯は、ワンちゃんの歯よりもサイズが小さいです🐈⬛
歯ブラシのヘッドが小さいものをを使うといいと思います😊
小児用歯ブラシで代用することもできます🪥
歯に歯ブラシをあてて、小刻みに左右に揺らして磨いてください。
このステップ③でもネコちゃんが嫌がったら、ネコちゃんが許してくれるケアまでで大丈夫です!
健康な歯を保てるように我々スタッフもお力になれたらと思います😊
ご気軽にご相談ください🐾